「写楽 Sharaku」.pdf
謎の浮世絵師、東洲斎写楽をテーマにした塗り絵です。
ひとりの絵師に焦点をあてた浮世絵ぬりえシリーズ。
今回は謎多き人気画家、写楽にスポットをあてました。
写楽といって思いつくのは、諸説あるミステリアスな存在と短い活動期間。
若き頃の北斎だった、なんて説もありで、日本美術史のなかでも特に異彩を放つ存在です。
このたび写楽を描くに至って、画像を大きく印刷して、たくさん並べて眺め、
取捨選択と構成に、たのしく悩んだ2週間でした。
そうなんです2週かかった。ブログの更新は週1と決めていて、平日のスキマ時間にこつこつ、という制作スタイルなんですが、
できあがった図案は、そう細かいわけでもなく凝っているわけでもなくなんですが、
「表情」、なんです時間がかかった部分は。
ぬりえ画像を作るにあたり、決めていることがひとつあって、それは
名画や写真のトレースをしない、ということです。
世には、浮世絵をはじめとして有名な絵を題材にした塗り絵はたくさんたくさんあって、
そのほとんどが、トレースもしくは画像をデジタル加工、というものです。
もちろん名画を模写しトレースし彩色を施すことは、勉強の意味からも文化の意味からも、
とても良い、貴重な体験だと思います。
でも、あまりにこの世にたくさんあるので、私がやる意味はないなと思っているわけです。
そしてなんというか、いちど取り込みたい、咀嚼したいという気持ちがあります。
原画とまったく同じではないけれど、雰囲気というか気分というか、
なにか統一感のようなものをもってとどめたい、
そんな気持ちがありまして、
思いのほか時間がかかってしまいました。
描いてみてわかったのが、目鼻の配置、口の表情。
よくこんな造形を思いついたな~、と感心というか感嘆というか。
納得いくところまで描いては消し描いては消しの時間は、
写楽の迷宮に迷い込んだ時間でもありました。
ぬりえ作りのご褒美。そんな体験になりました。
またまた中高生のみなさん向けのキーワードとしては、
東洲斎写楽(とうしゅうさいしゃらく)
役者絵
大首絵(おおくびえ)
といったところでしょうか。
浮世絵塗り絵シリーズ、まだまだ継続いたします。
この塗り絵をふくめた浮世絵をテーマにした8作品をまとめ、浮世絵ぬりえシリーズとして公開しています。
こちらもあわせてお楽しみください。
※冒頭の画像には着彩例として色をつけてありますが、印刷用PDFファイルは白黒の線画となります。