「まひるの記憶」.pdf
薄曇りの真昼に咲く、幻想的な花の塗り絵です。
夢とも現(うつつ)ともつかないような、もやっとした曇りの午後。
ぼんやりとした記憶がよみがえってくるような、静かな午後。
空はうすく靄(もや)がかかり、
植物たちが春の気配の中で少しずつ芽を伸ばしていきます。
醒めて観る夢。幻想的な花々が咲く真昼の景色をテーマにしました。
幻想、の舞台といえば夜を連想するものかなぁと思うのですが、
なぜか昼間のまぼろしに惹かれます。
子どもの頃は、教室や校庭や廊下で、
大人になった今では午後の職場や通勤の途中の路地で、
辺りがふと静かになり、話しかける人もない
エアポケットのような昼間の一瞬。
遠くに、遥かに気持ちが舞っていく時間が、
そういえばなぜかあるのです。
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この「みどりのかたち」をふくめた新作絵画を、3月18日から5月7日までの期間
「空想植物図鑑2023春」と題し、オンラインギャラリーArtgeneで公開しています。
ご鑑賞いただけましたら幸いです。
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ブログ「塗り絵から絵画へ」のカテゴリーでは塗り絵を入り口として、画材の特性や技法、制作過程など、絵画表現にまつわることや作者の私見などをご紹介しています。
(※冒頭の画像では制作例として色をつけてありますが、PDFファイルでの印刷は白黒の線画になります)。
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