オーストラリア在住の k.f.selby_coloriageさんが、ぬりえラボの「ブルーペイズリー」を素敵に塗ってくださいました。
塗っていただいたのはブログで以前ご紹介した、
こちらの「ブルーペイズリー」です。
インスタグラムの「#ぬりえラボ」でつい最近、素敵な投稿に目が止まりました。
どうやらデジタル彩色。
どれどれprocreateって書いてある。
私が半年前にお絵描き好きの女子高生に教えてもらって即購入、
使いやすさと画面の綺麗さに感動したものの、
どうも慣れているアイビスペイントの方を選びがちで
ちょっと放置ぎみの、あのprocreateです。
へーprocreateでここまでできるんだー、すご。でした。
なにに驚いたかというと、その抑制された表現です。
デジタル塗り絵ってですね、デジタル描画一般ですが、
とーにかくいろんなことができるのです。
とにかくツールがたくさんある。
で、いろんなことをやりたくなって、
いろいろやった挙句、「う~~む」な出来になっちゃいがちです。
そしてこの、k.f.selby_coloriageさんの作品でみせて頂いたのは、
「配色だけ」での画面作りでした。
「色と色を組み合わせる」
というシンプルなやり方で、こんなに素敵な画がつくれるんだという驚き。
「なるべくブルー系の色を使って塗ってみました」という
k.f.selby_coloriageさんの談にもある通りに
ブルー系で統一された作品です。
ツールはおそらく「塗りつぶし」
バケツ塗りともいわれるあれですきっと。
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部分的に見ていきます。
まず左下の隅のところ、
わたしのブラウザでは、すこし紫がかった青にも感じます。
全体にグレイッシュで抑えたトーンの配色で、
わたし的にはこのへんツボ。
くすんだ中間色が大好物なので、ここ見てるだけで幸せです。
でも拡大してわかることは、小さな丸ふたつが黒(もしくは濃紺)なのですね。
これがコショウのようにぴりりとアクセントになっているようです。
中央の水色系での変化も好き。
絶妙。
そして画面中央部。
さきほどの左下部分、画面の周辺では抑えたトーンの配色でしたが、
こちらはドラマチックです。
たぶんこの画面中央のペーズリー柄の中、
卵と勾玉みたいなイメージがあるのですが、
ここがこの図のなかでいちばん目がいく部分になります。
そこにはメリハリのきいた、強めのコントラストの配色。
左上部も然り。
この黒(もしくは濃紺)の配置にしびれたのでした。
そして画面右中と中央上部。
ここではグレーの使い方にうなりました。
ブルー系で統一とはいうものの、部分に的確に無彩色を配することで
青の色が引き立てられています。
用いられている青は、すべてグレーがかった青で、
いわゆるマリンブルーやスカイブルーのような鮮やかな青はどこにもありません。
そして画面をひきしめる黒(濃紺かな?)の配置も見事。
けして黒の面積は多くないのですが、配置が的確。すごいなあ。
なんか優美なんです。
とても図柄を美しく見せていただいてる。
そこがもう嬉しく、そして感動した点でした。
使用色は、おそらくぜんぶで10色以下なのではないかと思います。
シンプルな表現で、配色のセンスでこんな素敵な画面作りができるのだと
とても学びを得る機会をいただきました。
デジタル塗り絵に見よう見まねで取り組んでいて、
なかなかうまくいかない私にとって、
目からウロコの体験でした。
初心に帰って、バケツ塗りやってみると
その可能性の広さにまた途方に暮れていたりもするんですが、
その迷いもお絵描きの醍醐味のひとつということで。
これからデジタル塗り絵にとりくんでみようか、と
お考えの方にも、
とても参考になるヒントの詰まった着彩だとおもいます。
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k.f.selby_coloriageさんのインスタグラムでは、ほかにも素敵なデジタル塗り絵作品が公開されています。
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※トップ画像は色付きの完成図ですが、PDFファイルの印刷は白黒のみの線画になります