「夕暮れに」.pdf
夕暮れにたたずむ不思議な植物の塗り絵です。
管(くだ)のような触手のような、筒状の生き物。
植物とも動物ともつかない存在を描きました。
口と腸が一本の管でつながれている、ただ単に筒(つつ)のような原始的な生き物がいる。
と、生物だったか理科だったかで聞いた記憶があって、
私とその原始の形態の管(くだ)は、
いったい何が違うんだろう、なんて
昼下がりの教室で白昼夢を見るように考えていた
遠い記憶。
生物は、先生が見せるスライドや図版がグロいので、
あまり見たくはなかったけれど受験科目だし、
のようなかかわりで、
星は好きだったので、その単元は楽しかった。
顕微鏡の中と宇宙は、相似ではないのかな、
なんて点数につながらない夢想をしつつ
ただ時が過ぎるのを待っていた頃。
記憶のどこからか、理科のようなミクロのような軟体動物のような、
自分でも説明のつかないかたちが、
思考のすき間を縫って、いつのまにか現れてしまいます。
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この「夜に降る」をふくめた新作絵画を、3月18日から5月7日までの期間
「空想植物図鑑2023春」と題し、オンラインギャラリーArtgeneで公開しています。
ご鑑賞いただけましたら幸いです。
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ブログ「塗り絵から絵画へ」のカテゴリーでは塗り絵を入り口として、画材の特性や技法、制作過程など、絵画表現にまつわることや作者の私見などをご紹介しています。
(※冒頭の画像では制作例として色をつけてありますが、PDFファイルでの印刷は白黒の線画になります)。
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