「不思議な森の入り口で」.pdf
森の入り口で出会った、旅人と動物たちの登場する塗り絵です。新しい取り組み「ペン画塗り絵」を始めるに至った推移についてお話します。
カラーペンを使って自由に描いています、「ペン画塗り絵」のシリーズ。塗り絵だということで制限していたラフな線使いをあえて使い、複雑な部分やあいまいな線、ノイズともいえる走った線の痕跡なども、あえて修正せずに公開しています。
こういった塗り絵を公開している理由について、今回はふれてみようと思います。
塗り絵の活動もずいぶんと回を重ねてきました。3年以上続けた参加メンバーにとっては、「きちんと枠の中を塗る」ということは難なくできることになっていきます。
根気もあり色使いも丁寧で、仕上がりも美しく、となっていきます。
ですが、思い当たるかたもきっといらっしゃると思います。「上手な塗り絵完成作品」というのは、意外にもある意味でつまんないものだったりするのです。
最初は、「上手にできたねがんばったね~」と、その努力と上達とに感動があるのですが、同様のものが10枚20枚と枚数を重ねていくと、塗る作業がルーティーン化してしまうというか、全部同じものに見えるというか、なんというか「下手だったころのほうが魅力があった~~」と思う(んだけれども言えない)、ということになってしまうのです。
(ちなみにコレ、芸術の分野では宿命のようなものです。カラオケバトルで機械が満点出す歌唱、というのは意外に「もっと聴きたい」と思わなかったりするのは、きっと私だけではないんじゃないかなと)。
しかしこのいわゆるマンネリ状態は、新しいスタートだともいえるわけです。技術は揃った、やる気はある、あとはその方の個性です。
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時期を同じくして、私も塗り絵のための図案を描くことに飽きてきました。一定の幅の線をきちんとつなげて描くというルールのもとに、参加メンバーか興味を持ってくれる図柄をテーマにして、という描き方です。
数色の色の線で描いたり、ラフな線の走りをあえて残したり、ということを許容して描いてみると、とても自由に描けたのです。
なにより楽しい。そのことは図案を見てくれる方にも、すでに伝わっているみたいです。「わたし自身が楽しんでいること」も、きっと大事なことだよねと思っています。
線の途切れやかすれは、塗る人それぞれが解釈をして色塗りをすることにつながり、オリジナルな表現の出発点になるのではないか、という期待があります。
塗り絵に慣れた方が、もう一度新鮮な気持ちで塗り絵に取り組むきっかけになれたら。
さらに塗り絵という枠を超えて、図案を参考にして自分のアイデアを加えたり、
塗り絵の図案自体をそれぞれが描けるようになったり(それはもうオリジナルの絵画ですよね!)。
と、まあ、現在進行形の「ペン画塗り絵」ですが、〔ぬりえラボ〕の活動の目的は、実は塗り絵の普及でも塗り絵が上手になることでもなくって、
創作活動の入り口として、まず塗り絵を始める。
なのです。
(自分でも忘れそうになるので、ここでしっかり再確認します)。
なのでなので、この新しい取り組み、
「ラフな図案を塗り絵として取り入れる」は
〔ぬりえラボ〕の基本の考え方の延長にある!
ということになる、というお話になりました。
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カラーの線画塗り絵は「カラー線画」のタグで公開しています。ほかにもたくさんありますので、どうぞ覗いてみてください。