「幾何学ぬりえ・方形だけの物語」.pdf
四角形を組み合わせた幾何学模様の塗り絵です。
幾何学模様の塗り絵のシリーズ。2作目の紹介です。
私が絵画指導をしている福祉事業所の利用者さんに、最近めきめきと腕を上げている方がいます。とても緻密な塗り絵をされている方なのですが、ここにきて「自分で線をひいて色を塗る」に目覚められました。
指導をする立場からは、とてもうれしい出来事です。〔ぬりえラボ〕と称した活動をしていますが、目指すところはそれぞれの個性を生かしたオリジナルアート。塗り絵はその方便としてのテクニックの習得と、画面に持続して向き合うトレーニングだという位置づけの考え方なのです。
その方は四角や三角の幾何学模様を好んで描かれます。単純な線や形の組み合わせで色々な画面が作れることのサンプルをさりげなく提示したくて、先週から幾何学しばりで塗り絵を作っています。
そして先週わたし、こんなこと言いました。
「パウル・クレーへのオマージュ」
自分で言って、なんて大きいこと言ってしまったんだろうと。「パウル・クレーのエッセンスを画面に詰めた」なんてどの口で~~?!、とその後自問自答したのでした。
クレーへの思いを描くのに、本当にこの線で良いのか。
あの詩情あふれる情感を、自分は線に込めようと本気で思ったか。
などなど考え、とりあえず描きなれたSignoちゃん(水性ボールペンです)を疑ってみることにしました。
筆かな。細い線は面相筆?。削用筆のほうが抑揚がつくかな。ん~、やっぱり筆でひく線は太いな。
ペンかな。かぶらペンとGペン、丸ペンは引き出しの奥にあったあった。製図用インクかな墨汁かな。ん。!。ちょっとイイ感じかも。
などなどなど。とりあえず手持ちの画材で試行錯誤をしてみました。
「線に気持ちをこめる」については答えは見つからないけれど、クレーの絵を見た時に湧いてくる感情みたいなものを、つかまえようとしてみたつもり。
数枚描いたなかで、一番気持ちが入ったかなと思えたのが今日ご紹介している『方形だけの物語』です。四角だけのかさなりのなかに、なにか物語のようなものを感じられるものであればいいなあという気持ちをこめてみました。
この「方形だけの物語」を含めた10つの幾何学模様の画像を「幾何学模様シリーズ」として公開しています。こちらもどうぞご覧ください。